「ラマザン・バイラム」なのか?「砂糖祭」なのか? その謎に迫る

「ラマザン・バイラム(断食明けの祭)」に欠かせないものと言ったら、なんといっても甘いもの。 「ラマザン・バイラム」のみならず、「クルバン・バイラム(犠牲祭)」など、トルコのお祝いごとに甘いものは欠かせない。お祝いの日にはチョコレートや飴など、甘いものが振る舞われる。 しかし、甘いものなしのお祝いはトルコではあり得ないにも関わらず、「ラマザン・バイラム」だけは、トルコでは特別に「シェケル・バイラム(砂糖祭)」とも呼ばれている。 一体何故、「シェケル・バイラム(砂糖祭)」と呼ばれるようになったのだろうか。

「ラマザン・バイラム」なのか?「砂糖祭」なのか? その謎に迫る

 

 

 

トルコでラマザン(断食月)の終了を祝う「ラマザン・バイラム(断食明けの祭)」が「シェケル・バイラム(砂糖祭)」とも呼ばれるようになったのには、ふたつの説があると言われている。

ひとつは、「ラマザン・バイラム(断食明けの祭)」のアラビア語が変化を遂げたという説、もうひとつはオスマン帝国時代の習慣が伝統化したという説である。

 

 

「ラマザン・バイラム(断食明けの祭)」のアラビア語が変化を遂げて
「シェケル(砂糖)」になった、とする説

 

「ラマザン・バイラム(断食明けの祭)」の「ラマザン」は「断食月」、「バイラム」は「祭(祝祭)」という意味である。

「ラマザン・バイラム(断食明けの祭)」はアラビア語で「イード・アル・フィトル(Eid al-Fitr)」と言う。

「イード(Eid)」は「祭(祝祭)」、「フィトル(Fitr)」は「断食終了」という意味である。

トルコ語に直訳するなら、「イフタル・バイラム」、日本語に直訳するなら「断食終了の祭」という意味になる。

つまり、アラブ諸国では、「ラマザン・バイラム(断食明けの祭)」は文字通り、断食が終了したことを祝福する日である。

30日間にわたる断食の最後のイフタル(断食終了)をするということにもなる。

しかし、年が経つにつれ、この「イフタル・バイラム(断食終了の祭)」は、「シュキュル・バイラム(感謝の祭)」に変わっていった。それがいつしかトルコ語の「シェケル(砂糖)」に結びついた。

そのため、トルコでは「シェケル・バイラム(砂糖祭)」としてお祝いされるようになった。

「シュキュル(感謝)」を「シェケル(砂糖)」と言い間違えたのが、「シュキュル・バイラム(感謝の祭)」として定着したとも言われている。

 

 

 

オスマン帝国時代の習慣が伝統化したという説

 

オスマン帝国時代、ラマザン(断食月)の15日目を過ぎると、バクラバ(トルコのパイ菓子)などのお菓子がお盆に載せられ、兵士に届けられるという習慣があった。

人々はこの習慣をまねて、「ラマザン・バイラム(断食明けの祭)」のときにもお菓子を作りはじめた。

また、子どもたちはお祝いのお金をもらうと、すぐに砂糖菓子を買いに走った。

しばらくすると、こどもたちにお金の代わりに砂糖菓子が配られるようになった。

後にこれが伝統化し、「ラマザン・バイラム(断食明けの祭)」に砂糖菓子を贈り合うようになり、祭の名前も「シェケル・バイラム(砂糖祭)」となった。

 

 

 

 

 

 

(2018年6月15日 文責: 浅野涼子)

 

 

 

 

 



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