アンカラで「日本文学セミナー」

首都アンカラで12月4日夜、トルコ・日本文化研究、連帯協会の主催による「日本文学セミナー」が開催され、大盛況だった。

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アンカラで「日本文学セミナー」


土日基金文化センター会議室で開かれたセミナーへの関心は非常に高く、立ち見が出るほどの人気だった。
老若男女が集まったセミナーでは、日本語能力試験直前にも関わらず、特にアンカラ大学で日本語を専攻している学生の姿が目立った。

 

講師を務めたエルジエス大学日本語日本文学科のアリ・ヴォルカン・エルデミール准教授は、日本の詩の中でも特に俳句を中心に、芥川龍之介や大江健三郎など、さまざまな角度から日本文学を斬り、聴衆にわかりやすく解説した。
大江健三郎が23歳で芥川賞を受賞した『飼育』(1958年)のトルコ語訳(トルコ語題『Kurbanı Beslemek』 直訳「犠牲を育てる」)を出版したエルデミール准教授は、長文で難解かつ重い文に辟易し3週間目に挫折しかけたというエピソードを明かした。
講演は、主に学生との対話形式で和やかな授業のような雰囲気で進められた。
エルデミール准教授は、「日本文学を通して、アタチュルクをさらに深く知ることができた」という言葉で講演を締めくくった。

 

講演後、セミナーを主催したトルコ・日本文化研究、連帯協会のミュクレム・エルキン会長からの感謝のプレートが、同協会の役員でアンカラ大学言語歴史地理学部日本語日本文学科のA.メルトハン・デュンダル教授よりエルデミール准教授に手渡された。

 

質疑応答では、日本文学を愛するトルコ人や熱心な学生たちからの質問が相次いだが、エルデミール准教授は専門外の質問にも巧みに回答した。
ある学生からの『源氏物語』に関する質問に、エルデミール准教授は、「源氏を翻訳するのではなく、源氏の世界に生きたい」と発言し、会場を笑いに包む一幕もあった。

 

セミナー終了後も、エルデミール准教授への質問をする熱心な学生たちの姿が印象的だった。

 


(2015年12月4日 文責:浅野涼子)


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