「国家の植物サフラン」 本場サフランボルで20キロ 漬物のまちチュブクでは初収穫

古くから「サフランのまち」として知られていることから「サフラン が たくさん(= ボル)」という意味の「サフランボル」という名前がつけられたサフランボルで、今年もサフランの収穫が行われた。一方、漬物のまち、首都アンカラのチュブクでは、初めてサフランの栽培に成功した。

「国家の植物サフラン」 本場サフランボルで20キロ 漬物のまちチュブクでは初収穫

 

 

 

トルコ北部黒海地方にあり、ユネスコ(UNESCO:国連教育科学文化機関)世界遺産の歴史的な家屋で有名な、カラビュク県サフランボル区で育てられたサフランは、今年(2019年)は20キロ収穫された。

 

 

 

 

 

サフランボル区では、20軒の農家が3.5ヘクタールの土地でサフランの栽培を行っている。

 

 

 

 

カラビュク県農業森林局のチェティン・アイワルク局長は、「この先、サフランの生産量を増やしていきたい。栽培面積を4ヘクタールに増やしたい。目標収穫量は25キロ」と熱意を見せている。

カラビュク県農業森林局は、サフランの栽培を始めたい人たちに技術的な支援も行っている。

 

 

 

 

 

 

漬物のまち、アンカラ・チュブクでサフランの栽培に初成功

 

漬物で有名なまち、首都アンカラ県チュブク区では、初めてサフランの栽培に成功し、11月のはじめにサフランの初収穫が行われた。

 

 

 

 

チュブク区農業会議所の主導により行われたセミナーを受け、サフランの栽培にチャレンジしたレチベルさん夫妻は、1500平方メートルの畑にサフランの球根を植えた。

レチベルさん夫妻は、11月のはじめに、250グラム近くのサフランの収穫に成功した。

 

 

 

 

レチベルさん夫妻は、「1か月かけて収穫した。成功して嬉しい。初めて栽培した。これからも作り続けたい」と話している。
 

 

この地区でサフランが収穫されたのは初めてである。

 

 

 

 

 

レフベルさん夫妻を指導したコーディネーターのネジラ・トズル・テオマンさんによると、チュブク区でのサフランの栽培は、2年間にわたる事前作業の末、開始された。

テオマンさんは、サフランは、副収入をもたらすことから、小家族経営の農家や女性の農家にとって理想的な作物であると勧めている。

 

 

アンカラ大学農業学部のジハト・キュトゥク教授は、「チュブク平野は、トルコで最も肥沃な農地のひとつ」であると語る。キュトゥク教授によると、チュブク平野は、農地として一等級か二等級の質の良さがあり、あらゆる種類の植物や野菜を栽培することが可能である。キュトゥク教授は、「チュブク平野の保護が必要」だと話している。

 

 

 

チュブク区農業会議所によると、サフランの栽培は、チュブク区の農作物の種類を増やす目的で始められ、今回は栽培地としてタシュプナル地区が選ばれた。

チュブク区農業会議所のオルハン・ギュッレ所長は、「チュブク区は、果物と野菜が非常に豊かだが、変わった作物としてサフランの栽培を始めた。収穫から非常に良い成果を得た。小家族経営の農家、特に女性の農家にとって収入の糧となる作物だ」と語る。

チュブク区農業会議所は「サフランの栽培を他の地区にも広げたい」と意気込みを見せている。

 

 

 

アンカラ県チュブク区は元来、漬物が有名なまちで、毎年漬物祭りを開催するほどである。今年(2019年)も9月上旬に3日間、14回目となる「チュブク国際漬物&文化フェスティバル」が開催された。来年(2020年)は9月3日から6日まで開催されることが予定されている。

 

 

 

 

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サフランは、アヤメ科の多年草で、学名を「Crocus sativus」(クロッカス・サティウス)と言う。

 

 

 

 

8月に球根の植えつけが行われるサフランは、10月から11月にかけて良い香りのする紫色の花を咲かせる。長さは15センチから30センチに達する。

 

 

サフランは、染料、化粧品、薬、食品など、さまざまなものに利用することができることから、「奇跡の植物」とも呼ばれている。

サフランは、ビタミンやミネラルが豊富に含まれており、血行改善効果、疲労回復効果、頭痛解消効果、冷え性解消効果、月経不順緩和効果、更年期障害改善効果生理痛、ヒステリー緩和効果、うつ緩和効果、不眠解消効果などがある。

 

 

重さの1万倍の量の液体を黄色く染めることができるものの、8万輪の花からたった500グラムしか採取できないため、1キロ60万円から80万円で取引されるサフランは、「世界で最も高い植物」として知られている。

 

サフランが高価な理由は、まず「少量しか収穫できない」ことが挙げられる。1輪の花の中に、3本の赤い花柱(かちゅう)がある。これは1本の雌しべが3つに分裂したものである。これを1本ずつ丁寧に採取し、乾燥させたものが、香辛料のサフランになる。

 

 

 

 

 

収穫に手間がかかるのもサフランが高価な理由である。

サフランの花は1年に1回、秋にしか開花しない上に、花は2週間しか持たない。そのため、スピーディーに収穫しなければならず、時間との闘いになる。

また、1本1本手作業で丁寧に採取しなければならないため、熟練したわざと精神力が必要とされる。

 

 

サフランの産地として有名な国はトルコのほかにも数か国あるが、トルコのサフランは、硬さといい、色といい、香りといい、他国のものとは異なることから、2014年に行われた調査の結果、「国家の植物」として指定された。

 

サフランの本場、その名も「サフランがたくさん」のまち、カラビュク県サフランボル区のサフランは、原産地としてのトルコの地理的表示を獲得している。

 

 

 

 

 

2019年11月24日 日曜日

文責: 浅野涼子 (ryoko.asano@trt.net.tr)

 

 

 



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