イブラヒム・カルン大統領府報道官論文 「トルコ・アメリカ関係の基本の規則:相互への敬意と共通の利益」

トルコ・アメリカ関係は、アメリカ政府がトルコの安全保障への懸念を理解すれば修復・発展できる:

イブラヒム・カルン大統領府報道官論文 「トルコ・アメリカ関係の基本の規則:相互への敬意と共通の利益」

アメリカ政府がここ数年行ってきたことは、トルコ当局やトルコ社会にとって深刻な安全保障の危機を生じさせました。トルコがテロ組織DEASH(ISIL)との戦いのために結成された国際有志連合軍に参加し、有志連合軍がインジルリク空軍基地からDEASHのテロリストを撃つことができるよう機会を与えたにもかかわらず、アメリカは、シリアのラッカ奪還のための軍事作戦においてトルコ軍と協力することを望みませんでした。さらにはトルコ軍と協力活動を行う代わりに、テロ組織PKKのシリアにおける派生組織であると、アメリカ中央情報局(CIA)からも公式に発表されたYPGのテロリストと組んだのです。

アメリカ政府がこのテロ組織と行ったファウストイェン(利益)協定について、最初にそれが締結されたときはオバマ政権は「暫定的でギブ・アンド・テイクの関係に基づいた戦略的なもの」になると約束しており、トランプ政権も昨年(2017年)それを認めました。現政権がどれほどアメリカ中央軍(CENTCOM)の戦略から段階的に距離を置いていることが事実であろうと、またこの取り組みの一部として長い間待たれているYPGのミュンビチからの撤退計画のために作成されたロードマップを承認していようと、具体的な政策変更がなされていないことで、トルコ・アメリカ関係は崩壊の一途を辿っています。そのため、トルコがアメリカが現在アサド政権と会談しているYPGの戦闘員との協力活動を、長引かせずに終了するのを待っているのは当然のことです。

それと同時に、フェトフッラー・ギュレンのテロ組織(フェト)がアメリカ国内で犯した犯罪を捜査し追及するための具体的な取り組みをトランプ政権が行おうとしていないことで、トルコでは、最も軽い言い方をしても、「失望感」が生じています。また、アメリカ司法省は、トルコ政府とアメリカ政府との間に返還協定が結ばれていながら、トルコによるフェトフッラー・ギュレンの身柄引き渡しの要請に関し、トルコを翻弄すること以外には何もしていません。トルコ政府は、これらのことすべてに反感を抱いていても、さらにはハルク銀行の上級経営者のメフメト・アティッラをアメリカ司法省が自らのシステムの標的にしたのがフェトのメンバーの作成した虚偽の証拠に基づいていても、辛抱し続けました。

これらの条件のもとで、1人のアメリカ国民(アンドリュー・ブランソン牧師)の法的な問題を、ソーシャルメディアのメッセージで脅迫めいた言葉を用いることによって解決できると信じたらしいトランプ政権が不釣合いな反発をしたことに対し、トルコ当局は相当理解に苦しみました。トルコ当局が何度も明らかにしてきたように、トルコの政治的リーダーシップが独立した司法の権限の域内にある法的プロセスに介入するなどといった状況はあり得ません。このアメリカ国民(ブランソン牧師)が懲役を受けるか、自宅軟禁とされるか、または釈放されるかという問題は、あくまで裁判所が決定することです。

アメリカはここ数年、トルコとの戦略的パートナーシップを傷つけるような、強力で相互に有益な関係を脆弱化させるような一連の行動を取りました。トルコはというと、この関係を崩壊させるような何らの役割も担っていません。アメリカ政府の思慮のない政治的決定者の手からこの関係を救おうとし、建設的で常に良い意図をもって行動し、国益も守っただけです。

トルコ・アメリカ関係は、アメリカ政府がトルコの安全保障への懸念を理解すればこそ、修復・発展することができます。しかしトルコは、北大西洋条約機構(NATO)の同盟国が、国内外で自国の安全保障を脅かすような取り組みを行うのを容認することはできません。トランプ大統領には、エルドアン大統領とトルコと良い関係を築こうという意図はあるかもしれません。このことは、二国関係が相互への敬意と共通の利益をもとに発展すればこそ、見返りを得るでしょう。しかし、トルコに対し脅迫めいた態度を取れば、そうはいきません。二国関係を損じるだけです。トランプ政権は、アメリカとテロ組織YPGの間の協力に関し、またアメリカにいるフェトのネットワークに対し、行政上の取り組みを行うことができます。このことはそこまで複雑な法的手続きを要するものではありません。そもそもトルコは法と正当性の枠外で何かを要請したことは一切ありません。明確なのは、戦略的関係は、どちらかの一方的な要請のみにより築かれるものではないということです。このような関係は、相互を土台にした、相互への敬意そして共通の利益に基づくものです。どんな同盟者も、自らの利益を損ずる他の同盟者の行為を容認することはありません。トルコは、アメリカの利益を損ずるようなグループとは一切協力しておらず、またこのような構造に対し、支援や保護を行ってもいません。なので、アメリカも同様に振舞うことが期待されます。

 

(2018年7月29日)



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