国連がヨルダンに対シリア国境の開放を要請、ヨルダンは拒否

国連は、アサド軍とその支援国の攻撃を逃れるためシリア南西部からヨルダン国境に移住した人の数は32万人を超えると明かし、ヨルダンに国境を開放するよう促した。

1006678
国連がヨルダンに対シリア国境の開放を要請、ヨルダンは拒否

 

フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は書面で声明を出し、

「シリア南西部で激しい爆撃や空爆も含めた四方八方交差する銃弾にさらされている住民に対し、深刻な懸念を抱いている」と述べた。

グランディ弁務官は、ダルアーの住民約75万人が命の危険にさらされていると強調した。

アサド軍とその支援国の攻撃の結果居場所を追われた住民の数が32万人を越えたと伝えたグランディ弁務官は、ヨルダン国境のナシブ・ジャベル地域にあるキャンプに滞在する6万人も含め、家を去った住民が「恐るべき」かつ「危険」な状況で暮らしていることを強調した。

グランディ弁務官は、ヨルダン国境にある地域における攻撃が住民の命を危険にさらしていると警告し、逃げた住民が安全を確保するためにはヨルダンに避難する以外ほかに選択肢がないと指摘した。

ダルアーから逃げてきた住民に国境を開放するようヨルダンに促し、国際社会にも緊急にヨルダンへ支援を呼びかけたグランディ弁務官は、次のように述べた。

「緊急の脅威を考慮すると、安全保障が必要な住民にヨルダンでの一時避難が認められ、国際社会が連帯と責任の共有の精神と共にヨルダンに緊急財政支援を行うことを提唱する」

グランディ弁務官は、シリアにおける最優先事項は、紛争の終了に向けた政治的解決の確保と住民がさらなる苦痛を味わうことを未然に防ぐことであると明かした。

一方ヨルダンは、シリア人に対する国境開放を呼びかけた国連の要請に否定的な回答をした。

ヨルダン政府のジュマナ・グナマート報道官は、同国はシリア人に対して国境ゲートを開くよう呼びかける国連の要請を受け入れないと語った。

グナマート報道官は、同国の利益にそぐわない脅威を避け、安全を守る目的で、国境閉鎖の決定を下したと述べた。

「国連の要請に応じて国境を開放してシリア人を避難させることは、これらの利益と矛盾する」と述べたグナマート報道官は、国連と国際社会が暴力と戦争を終わらせ、重要なのは実はこの役割を果たすことを避けてはならないことであると述べた。

グナマート報道官は、移民に人道支援を行い、シリア南部における危機の解決に向けて政治的解決を見出すために圧力をかけることも、この問題に関する国連の役割の1つであることを振り返った。

国境を開放することは解決策ではないと指摘したグナマート報道官は、

「重要なのは、問題の根本を解決するための政治的解決を見出すことである。ヨルダンは、シリア国内にいる移民に人道支援を提供することに関して人道上の使命を引き続き果たしていく」と述べた。

 

(2018年7月5日)



注目ニュース