【日本・衆院選2017】 安倍首相圧勝 政権続行へ 憲法改正に大きく一歩

日本で議会の下院(衆議院)の選挙が行われ、安倍晋三(あべ しんぞう)首相が率いる自由民主党(自民党)が圧勝した。

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【日本・衆院選2017】 安倍首相圧勝 政権続行へ 憲法改正に大きく一歩

 

 

 

安倍首相が下院(衆議院)の解散を決めたことにより行われた選挙は、10月22日、日本のほぼ全国で現地時間の7時から20時まで投票が行われた。

 

投票終了後すぐに開票作業が始められ、465議席(小選挙区289議席、比例代表176議席)のうち461議席が確定した。

 

10月16日の西太平洋のカロリン諸島付近で発生した超大型の台風「ラン」(台風21号)の影響により、愛知県や沖縄県など8つの県で、離島の投票所から投票箱が運べず、10月22日のうちに開票できないという珍しい事態が発生した。そのため、4つの議席がまだ確定されていない。10月23日中には確定されると見られている。

 

 

開票の結果、安倍首相が率いる自由民主党が単独で選挙前とほぼ同じ議席数を獲得した。さらに、連立政権を組んでいる公明党の議席も合わせると、312議席を獲得した。この議席数は憲法改正の発議に必要な全議席の3分の2に当たる310議席を上回り、安倍首相悲願の憲法改正に向けて、大きく前進することとなった。

 

議席数は少ないものの40議席近く議席数を増やした立憲民主党が野党第一党に躍進した。

 

下院(衆議院)解散直前に新党を結成した東京都の小池百合子(こいけ ゆりこ)知事が率いる希望の党は、議席数を減らす結果となった。

また、小池知事が知事を務めている東京都の25ある選挙区のうち、希望の党が当選した選挙区は1つだけだった。東京都の25の選挙区では、自由民主党が19、公明党が1つの選挙区で当選し、与党で20議席を獲得した。

 

日本のこころと新党大地は、議席が獲得できなかった。

 

今回の選挙では、7つの政党と23人の無所属の候補が議会入りを果たした。

日本時間10月23日11時(トルコ時間10月23日5時)の時点での獲得議席数は以下の通り。

 

 

 

第二次世界大戦後、2番目に低い投票率

 

今回の下院(衆議院)選挙は、期日前投票を行った人の数は過去最多を記録したものの、結果的には第二次世界大戦後2番目に低い投票率を記録することになった。

 

総務省によると、10月22日の下院(衆議院)の小選挙区で投票を行った人は、在外投票も含めて5695万2631人で、最終投票率は53.68パーセントとなり、第二次世界大戦後最低の投票率となった2014年12月14日の下院(衆議院)選挙の次に低い投票率となった。

2014年12月14日の下院(衆議院)選挙の投票率は、52.66パーセントだった。今回の選挙では1.02パーセント上回った。

最も投票率が高かったのは山形県で64.07パーセント、最も低かったのは徳島県で46.47パーセントだった。

期日前投票者の数は10月20日の時点で1564万5349人だったことが総務省より発表された。2014年12月14日の下院(衆議院)選挙の1315万2985人を既に超えており、下院(衆議院)選挙において過去最多になった。10月20日の時点で2014年12月14日の下院(衆議院)選挙での期日前投票者数を53.66パーセント上回っている。

 

投票率が低くなったのは、選挙戦開始直後から安倍首相率いる自由民主党が優勢であると報じられていたことや、野党候補の乱立、野党の混乱・分裂により、有権者の関心が集まらなかったことが背景にあると考えられる。また、超大型の台風「ラン」(台風21号)の影響で天気が荒れたことも投票率に影響した。

 

 

安倍首相、さっそく始動 トランプ大統領と電話会談

 

自由民主党党首の安倍晋三首相は、選挙で圧勝したのを受け、さっそく任務を開始した。

安倍首相は、10月23日、首相官邸に入る際、「ここからが新たなスタートだ。政策を実行し、結果を出していきたい」と記者団に述べた。

その後、自由民主党本部で行った記者会見では、「目標を大きく上回る支持を国民からもらうことができた。『安定した政治基盤で、これから政治を前に進めよ』と、国民から力強く背中を押してもらえた」と述べた。

 

同じ日の日本時間の11時30分頃からは、アメリカ側からの要請により、ドナルド・トランプ大統領と約30分間電話会談を行った。

トランプ大統領は、「強いリーダーが国民から強い支持を得たことは非常に重要」と述べ、安倍首相に対し、選挙での勝利を祝福した。安倍首相はトランプ大統領に感謝の意を表し、「実際には長くて厳しい選挙戦だった。選挙戦では、北朝鮮の脅威に対し、揺るぎない日米同盟の下、可能な限りの圧力をかけ、北朝鮮に政策を変更させなければならないことを力強く訴えた」と述べた。

 

 

連立政権維持 11月1日に第4次安倍内閣発足に向けて調整へ

 

安倍首相は、連立政権を組んでいる公明党の山口 那津男(やまぐち なつお)代表と会談した。会談では、連立政権を維持することが確認され、政権合意への署名が行われた。

 

日本政府・与党は、11月1日に下院(衆議院)を召集し、首相指名選挙を行い、同日中に内閣を発足させる方向で調整を行っている。

 

 

希望の党代表の小池百合子知事、潔く敗北宣言

 

敗北した希望の党代表で東京都の小池百合子知事は、フランスの首都パリで行った記者会見で、「今回は、厳しい有権者の判断が下ったものだと思う。『希望の党』は安倍一強政治の受け皿と考えていたが、残念ながら、受け皿と言うよりは、みなさんからのご批判をいただく対象になった。本当に悔やんでいるところがある。都知事選、都議選と2連勝だったのが、今回は完敗だとはっきり申し上げたいと思う」と述べた。今回の結果は、国民、都民からの「都政に邁進せよ」というメッセージだと受け止めているとし、「都政については、しっかり対応して『都民ファースト』という言葉通りのことを実現したい」と述べ、改めて自分自身がどうあるべきなのか、自らを反省しつつ都政に邁進することを表明した。

 

 

民進党の前原代表、当選するも代表辞任へ

 

自身が率いる政党を自ら分裂状態に追いやった民進党の前原誠司(まえはら せいじ)代表は、京都2区から無所属候補として出馬し、連続9回目の当選を確実にした。

しかし、前原代表は、今回の選挙結果を受けて、参院議員を含め党全体で希望の党に合流する案を断念し、民進党の代表を辞任する意向を示した。

 

 

日本のこころ、政党要件を失う

 

日本のこころは、全国を通じた得票率が2パーセントに届かず、公職選挙法(公選法)、政治資金規正法、政党助成法のいずれでも政党要件を失うことが確実となった。

日本では、公職選挙法などで、政党は「所属国会議員が5人以上」または「直近の国政選挙での得票が全国の有効投票総数の2パーセント以上」どちらかを満たすことが条件であると規定されている。

 

 

立会人が寝坊で投票開始が遅れる

 

今回の下院(衆議院)選挙では、大坂府高槻市の投票所で、76歳の立会人の男性が寝坊したため投票開始が21分遅れるというトラブルが発生した。これにより、20人が投票するのが遅れ、少なくとも2人が投票できずに帰った。立会人が遅刻した投票所の投票時間が延長されることはなく、予定どおり20時に終了した。

 

 

 

(2017年10月23日 文責: 浅野涼子)

 

 

 

 



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