イドリブで政権軍と反体制派に平和を突き付ける

政治経済社会研究財団(SETA)研究者・作家ジャン・アジュン著

イドリブで政権軍と反体制派に平和を突き付ける

シリアのアサド政権軍は、ロシアとイランの支援の拡大を受けて、アスタナ・プロセスに反してイドリブ地域を攻撃し続けています。戦略的なM4、M5幹線道路の管理を掌握する形で進軍した政権軍は、セラキブ区からアル・アヴス町までの地域を制圧し、ここ1年間で地域からほぼ150万人の人々が住む場所を追われました。イドリブへの包括的な軍事作戦が、政権軍と同盟軍がもはや政治的解決以前に軍事的勝利を目指していることを示している一方で、トルコは、その軍事的行動により、それを許さないという姿勢を示しました。

政権軍は、ここ2週間、イドリブでの攻撃を激化させており、陸からイランに属するシーア派民兵、空からはロシアの集中的な支援を受けて反体制派に対し進軍を続けました。イドリブ最大の町であるマレト・アル・ヌマンを制圧した後、北側に向いてM4、M5幹線道路をつなぐ戦略的重要性を持つセラキブ区も制圧しました。何十万人もの人々が、炎に巻き込まれた地域からトルコ国境に向けて逃れ始めました。トルコはこの状況を見て、イドリブ内に向けて真剣な軍事行動を起こし、政権軍に対して最後通告をしました。しかし、政権軍が直接セラキブ区とタフタナズ区などの地域でトルコ軍兵士を攻撃した結果、トルコはシリア内戦が始まって以来、初めて政権軍に対し大規模な攻撃を行いました。エルドアン大統領は日付を明言し、もし2月末までに政権軍がソチ合意を守らなければ、トルコは軍事介入を行って政権軍をソチ合意の境界線から追い出すと語りました。

エルドアン大統領がこのような発言をし、トルコ軍がイドリブ内で軍備を増強したことは、地域をめぐるトルコの行動が変わり、もはや新たな時期に入ったことを示しています。トルコは今もロシアとの合意に基づいて政権軍にソチ合意を守らせようと望んでいますが、もしそれが実現しなければ、実際その可能性は低そうですが、トルコと反体制派軍は、政権軍をトルコの12か所の監視地点の向こう側に撃退する軍事作戦を開始すると思われます。

政権軍のほか、ロシアが最近シリアでの活動を拡大していることで、トルコの国家的利益が損なわれています。ロシアが同盟者としてのトルコの価値を理解すべき時が来ています。トルコが軍事的解決に向けた予算を拡大することは、平和の重要性を理解し、そしてロシア側もそれを理解するために必要です。



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