ベルリンの後のリビア

政治経済社会研究財団(SETA)安全保障研究責任者・作家ムラト・イェシルタシュ准教授著

ベルリンの後のリビア

先週、ドイツの首都ベルリンで開かれたリビア会議は、リビアで続く衝突を今のところは止めるのに成功しました。しかし、リビア危機を完全に解決するという結果は出しませんでした。リビア危機の解決に向けて、まず国際社会の関連主体、地域的主体、リビア内の主体が和解しなければなりません。ベルリンで開かれたリビア会議は、こうした主体の和解に向けて外交的な土台を築きはしましたが、完全な和解は導き出しませんでした。2019年4月から現在までハリファ・ハフタル司令官率いるいわゆるリビア国民軍は、国連が正統性を認めているリビアの唯一の代表者である国民合意政府を転覆するために軍事作戦を実行しています。ハフタル司令官を支援しているのは、アラブ首長国連邦(UAE)をはじめ、エジプト、サウジアラビア、フランスなどの国です。フランスによるハフタル司令官への支援は、大きなアイロニーです。なぜなら国連安全保障理事会の常任理事国であるフランスが、ハフタル司令官がリビアで犯している戦争犯罪を支援しているのであり、国連が認めた政府に対し、非合法な作戦が実行されるのに目をつむっているからです。

アラブ首長国連邦とエジプトは、ハフタル軍の最大の支援者です。リビアでアラブ首長国連邦が管理している空軍基地とハフタル司令官への支援のおかげで、ハフタル軍はリビアの重要な部分を管理下に置きました。エジプトもその過程でハフタル軍に軍事支援を行い、さらには自国の軍隊をも展開させました。アラブ首長国連邦、エジプト、サウジアラビアはリビアで権威を、そして軍事政権を樹立させようとしています。これは、アラブの春の後の国々の基本的な政治となっています。

ベルリンで開かれたリビア会議の後に発表された55条分の報告を見ると、今の戦場における軍事バランスがハフタル軍とその支援者にとってより有利な結果を出し得ることがわかります。なぜなら、この結果報告は、ハフタル司令官の違法な軍事介入を見てみぬふりをしており、ハフタル司令官を正統な主体にしようとしているからです。現時点で、ハフタル軍に投資しているエジプトとアラブ首長国連邦をはじめ、多くの外部勢力が、リビアの首都トリポリにおけるハフタル司令官の政治的・軍事的影響を継続させたがっていることがわかっています。こうして、ハフタル司令官は、原油省とリビア中央銀行の管理に対し発言権を持つことで、リビアの未来に対しても発言権を持とうとしています。さらに重要なのは、ベルリンで開かれた会議の結果報告で、リビアに向けた大規模な武器禁輸の続行と、リビアにいる外国勢力の撤退に関するメッセージが発信されているとはいえ、アラブ首長国連邦がそれに従っていないということです。このことは、戦場における状況をさらに複雑化させ、政治的解決を困難にしています。

リビア危機中ずっと国民合意政府を支持しているトルコは、ベルリンで開かれた会議で政治的解決を支持する姿勢を見せました。会議の結果報告の条項すべてに満足しているわけではないとはいえ、国民合意政府を支持して同政府が孤立してはいないことを示しました。そもそもトルコが間に入らなければ、ハフタル軍のトリポリ制圧は時間の問題でした。2019年11月27日に結ばれたリビアとトルコの間の合意はそれに大きく影響しました。今や、トルコはリビアで軍事的にも外交的にも最大の当事者となりました。トルコは軍事的解決が不可能であるとわかっており、外交的解決のためにベルリンで一層力強い呼びかけを行いました。

ベルリンで開かれた会議はリビア問題の継続的な解決をもたらしませんでしたが、今後どんなロードマップを辿るべきかを示しました。もしハフタル軍とその支持者が軍事的解決を頑として通そうとすれば、それはリビア危機をもっと深刻なものにする可能性があります。この認識により、シリア危機と同様、深刻な地域的危機がさらに深くなり、地域が政情不安に陥ってしまう可能性があります。そのため、ベルリンでの会議を一つのチャンスとみなす必要があります。



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