【安田純平さん解放】 救出から帰国までの記録(トルコからのまとめ)

2015年6月、情勢をその目で間近から追跡するために違法ルートでシリアに入国したところ、テロ組織に拘束され行方がわからなくなっていた日本人ジャーナリスト安田純平(やすだ じゅんぺい)さんの救出から帰国までを振り返る。

【安田純平さん解放】 救出から帰国までの記録(トルコからのまとめ)

 

 

 

1974年生まれの安田さんは、2015年にトルコから違法ルートでシリア入りしたところ、テロ組織に人質として拘束された。

テロ組織は、安田さんの解放のために1000万ドル(日本の通貨で約11億円)を要求したが、日本政府はこれを拒否していた。

 

 

2018年10月23日、トルコの治安機関と情報機関の協力により、身分証明書を所持しない日本国民だと名乗る人物がシリアと国境を接するトルコ南部のハタイ県に連れて来られた。

 

翌日の10月24日、この人物は国立ハタイ病院で極秘のうちに健康診断を受けた。

身分証明書を持っていなかったこの人物は、ハタイ県移民管理局に引き渡された。

 

ハタイ県移民管理局は、この人物が2015年に違法入国したシリアでテロ組織に拘束された日本人ジャーナリストの安田さんである可能性が高いことがわかると、アンカラにある在トルコ日本国大使館と連絡を取った。

ハタイ県移民管理局からの連絡を受け、在トルコ日本国大使館の職員3人がハタイ県に駆けつけた。

 

 

在トルコ日本国大使館の職員3人は、トルコ当局とともにこの人物と面会した。

その結果、この人物が安田さんであることが確認された。

 

 

 

ハタイ県知事が記者会見

 

ハタイ県のエルダル・アタ知事は記者会見を開き、10月23日にシリアからトルコに連れて来られた人物は、行方不明になっていた日本人ジャーナリストの安田純平さんであることが確認されたと発表した。

アタ知事は、県庁ビルで行った記者会見で、10月23日に身分を証明するものを所持せず日本国民であると名乗る人物がトルコの治安機関と情報機関によりシリアからトルコに連れて来られたと話した。

その人物の身元が確認されたことを明らかにしたアタ知事は、「今日、我が国の関係機関により日本当局と行われた協議の結果、この人物は2015年に違法入国したシリアで拉致され行方不明となっていた日本人のジャーナリスト安田純平さんであることが確認された」と述べた。

安田さんの救出に関し、軍事的な作戦が行われたのかという質問が出ると、アタ知事は、軍事的な作戦は何ひとつ行われず、トルコの治安機関と情報機関が行った素晴らしい活動の結果、安田さんが見つかったと述べた。

 

 

 

日本の安倍首相がエルドアンに感謝の電話

 

トルコ共和国大統領府筋から得られた情報と、日本国外務省から行われた発表によると、日本の安倍晋三(あべ しんぞう)首相は、レジェプ・ターイプ・エルドアン大統領に電話をし、2015年6月からシリアでテロ組織に拘束されていた安田さんを10月23日にトルコが無事救出したことに対し、感謝の意を述べた。

 

 

 

河野外相はチャウショール外相に感謝の意

 

外交筋から得られた情報によると、メヴリュト・チャウショール外務大臣と日本の河野太郎(こうの たろう)外務大臣との間で行われた電話会談で、河野外務大臣は、チャウショール外務大臣にトルコが安田さんを無事救出したことに対し、感謝の意を表した。

 

 

宮島大使からトルコに感謝の意

 

 

アンカラに駐在の日本国特命全権大使、宮島昭夫(みやじま あきお)大使は、アナドル通信の取材に対し、「安田純平さんがトルコの協力により無事に解放され、在トルコ日本国大使館の職員が本人と面会した結果、身元が確認されたことに大きな喜びを感じている。アンカラに駐在する日本国特命全権大使としてトルコに感謝の意を表する。この協力は、トルコが日本にとっていかに信頼できるパートナー国であることを改めて示した。日本はこれからも、さまざまな分野においてトルコとの協力を続けていきたい」と述べた。

 

 

 

「地獄だった」

 

安田さんは、シリアと国境を接するトルコのハタイ県にあるハタイ県移民管理局外国人送還センターで手続きをした後、飛行機でトルコ時間の10月24日21時20分(日本時間の10月25日3時20分)にイスタンブールのアタチュルク空港に到着した。

 

 

 

 

ハタイ県からイスタンブールのアタチュルク空港に向かう飛行機の中で、日本のメディアの取材に対し、「自由になれたということが本当にうれしい」と表明した安田さんは、拘束されていた約3か月間は「地獄だった」と振り返った。

 

 

 

アタチュルク空港でワランク産業技術相にばったり
トルコに「ありがとう」

 

在トルコ日本国大使館の職員たちと一緒にアタチュルク空港のVIPラウンジで飛行機が出発する時間が来るのを待っていた安田さんは、イスタンブールでの予定を終えてアンカラに戻る途中のトルコ共和国産業技術省のムスタファ・ワランク大臣にばったり会った。

 

 

安田さんは、レジェプ・ターイプ・エルドアン大統領とトルコの国民に対し、救出してくれたことへの感謝の気持ちをワランク大臣に伝えた。

 

ワランク大臣は、安田さんとの出会ったことについてソーシャルメディアのアカウントから、「シリアで人質として拘束されていた日本人ジャーナリストの安田さんに、帰国前に空港でばったり会った。安田さんは、エルドアン大統領とトルコの国民に感謝の気持ちを伝えた。安倍(あべ)首相がエルドアン大統領に電話をして感謝の意を述べ、我々皆を誇らしい気持ちにさせてくれた、トルコ国家情報機構(MİT)を讃える」とコメントした。

 

 

安田さんは、搭乗手続きを終えた後、10月25日のトルコ時間2時頃(日本時間8時頃)、ターキッシュ エアラインズで帰国の途に就いた。

 

日本の公共放送NHKの報道によると、安田さんを乗せたターキッシュ エアラインズの飛行機はトルコ時間の12時20分頃(日本時間の18時20分頃)、日本の成田空港に無事に到着した。

安田さんは、約3年ぶりに日本の地を踏み、家族と再会した。

 

 

 

2018年10月25日木曜日

文責: 浅野涼子 (ryoko.asano@trt.net.tr)

 

 

 



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