「イスラエルがアメリカに負わせているもの」

アメリカの世界政策を見ると、私たちは原則的なレベルでアメリカに対し様々な批判をしますが、この政策に利益を軸とした論理があることは簡単に見て取れます。アメリカの中東政策を見ると、原則はおろか、自国の、アメリカ国民の利益となる政策が行われているなどとは言い難いです。

「イスラエルがアメリカに負わせているもの」

全世界の国民に対抗し、国連での採決において、管理されている数か国を除いて、孤立しながらも、アメリカがクドゥス(エルサレム)をイスラエルの首都と認定する決定を下したことで、アメリカ国民に対し、原則的なレベルで実質的にどのような利益があったというのでしょうか?

シリアでアメリカがしようとしていることに対し、その目的が何であるかを含めて合理的な説明などできるでしょうか?

自らもテロ組織とみなしているPKKのシリアにおける派生組織とトルコがみなしているYPGを公然と支援することについて、一貫性ある説明などできるでしょうか?

トルコを脅迫

最近では、アメリカのドナルド・トランプ大統領が、トルコがYPGを攻撃すれば、トルコ経済に大きな代償を払わせると述べてトルコを脅迫しました。もちろんトルコはアメリカの脅迫に屈して国境でテロ組織を放っておくなどということはしません。10年間もトルコやトルコの市民に対し、あらゆるテロ行為を働いてきたテロ組織が国境でテロ国家を築くことを許したりなどはしません。トルコは、アメリカの公然たる脅迫の言葉をものともせず、地域にいるテロ組織が本来の目的であるため、アメリカに対し常識的に振舞っています。しかし、トルコは望みを失いません。必要とあらば、アメリカとのあらゆる関係を再検討して措置を講じることができます。その目的のために公然と脅迫するような過程を阻止するためにトルコはもちろん、必要とあらばアメリカとの関係を全面的に終了させることも含めて、多くの措置を講じるでしょう。トルコはもはやかつてのトルコではないのです。

中東におけるアメリカの非合理性に合理的な説明は可能か

この点で、当然のこととしてアメリカがなぜ中東で原則的にも実質的にも自らに不利益な非合理的な政策を行っているのかという問いが浮かび上がります。

クドゥス決議と同様、なぜ全世界の人々が反対するような行為をアメリカはしているのでしょうか?トルコを完全に失うことをも視野に入れて、自らもテロ組織と認めているPKKのシリア分派を10年間も同盟者とみなし、北大西洋条約機構(NATO)加盟国として多くの国でともに戦ってきたトルコの意に反して支援しているのでしょうか?なぜ一般的なトルコ人、アラブ人、クルド人から彼らへの公然たる攻撃とみなされるような発言をするのでしょうか?テロへの公然たる支援により、テロといえばアメリカというような認識を、なぜ自ら作り出しているのでしょうか?アメリカはなぜこんなことをしているのでしょうか?

イスラエルのファクター

アメリカは、そのすべてに関し、テロ組織DEASH(ISIL)とイランを軸にした発表を行っています。しかし、それらの発表は説得力がまるでありません。アメリカによる非合理的な政策を見ると、地域では一般的にイスラエルと関係する状況においてこのようなことをしていることが見て取れます。アメリカは、イスラエルに関する件でアメリカの利益をも脇に追いやるような非合理性を提示しています。イスラエルが事の中心となると、アメリカの非合理的な政策が、アメリカにもイスラエルにも、シオニストではない合理的なユダヤ人にとっても重い代償となっていることは確実です。

イスラエルがアメリカに負わせているもの

アメリカの利益を一切考慮に入れない:現代では、外交政策が国益のために行われているとよく言われます。イスラエルが事の中心となると、アメリカは自らの利益を放り出しています。

正義、自由、人権などの普遍的な価値や平和を支持する全世界の人々が反対するような行為をする:イスラエルの占領者的で攻撃的な政策を無条件に支援していることで、アメリカは当然のこととして全人類の良心の反感を買い、反米主義が拡大しています。

地域諸国や地域住民の反感を買っている:中東でイスラエルのみを軸にした政策を講じ、地域諸国に脅迫めいた言葉を吐いていることで、諸国が黙っていても、地域住民の過度の反感を買っています。

アメリカの外交政策がイスラエルが事の中心となるとその独立性を失い、イスラエルはさらに攻撃的になる:イスラエルに対するアメリカの非合理的な姿勢や支援により、食い止められるべきイスラエルの占領政策はさらに過激化し、イスラエルはさらに攻撃的で虐殺に至るような政策を拡大しています。

反ユダヤ主義の拡大:イスラエルへの無条件の支援により、イスラエルはさらに攻撃的になり、非人道的な政策を講じ、それが世界で拡大する反ユダヤ主義の最大の原因となっています。無論、差別主義は、誰に対しても、どこから生じていようとも、決して許されることではありません。

イスラエルの安全保障リスクの拡大:アメリカによるイスラエルへの無条件の支援は、実際は、イスラエルの国家安全保障に貢献するものではなく、イスラエルの安全保障のリスクをさらに深めてしまう政策です。より攻撃的にではなく、より合理的な政策を講じ、弾圧を緩めれば、イスラエルが地域で反発を買うことは減るでしょう。

アメリカは、自分で自分の利益を短期的にも長期的にも失い、イスラエルにはその利益を長期的に失わせるのにもかかわらず、イスラエルに対し、なぜこのような非合理的な支援を無条件に行っているのでしょうか?このテーマについては別のプログラムでお話しします。今回のところは、アメリカで誰もがこの非合理的な政策を支持しているわけではなく、世界最強の国が小国のために奔走しているのを快く思ってはいないという事実を述べるに留めておきます。


キーワード: イスラエル , アメリカ

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