「協議事項分析」 第39回

トルコ、シリア人数百万人を守ることに成功

「協議事項分析」 第39回

政治経済社会研究財団(SETA)の研究者・作家、ジャン・アジュン氏著

 

レジェプ・ターイプ・エルドアン大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ロシア・ソチで二者会談を行ったあと記者会見を開きました。両首脳は発言で、シリア・イドリブに非武装地帯を設けることで合意したことを強調しました。また、重要な首脳会議の直後にロシア国防省から出された発表では、イドリブで作戦は実行されないと述べられました。

交わされた合意により、トルコは大きな成果を上げました。エルドアン大統領はその断固とした姿勢、最近イドリブ問題を自身の問題として受け入れたこと、行った自己主張、イラン・テヘランで主張した強い停戦要求などにより、同時に自身を最前線ではっきり示したことになりました。最近トルコ軍はイドリブ内で非常に重要な要塞を建設しました。イドリブにあるトルコの12の監視地点に多数の装甲車両、戦車、軍隊が派遣されました。トルコがどれほど決意しているかということをロシア、イラン、アサド軍、シーア派民兵に示したことになりました。もちろん、一方で進められている外交交渉や他方で同時に前線で行われている軍事措置が、ついに結果を生んだのです。ロシアはソチで文字通り後退したことになりました。ロシア、イラン、アサド軍は、イドリブで包括的な軍事作戦を実行したいと考えていました。これに向けて深刻な圧力がかけられていました。特に、ジスル・アッシュグールやハマー北部などの地域が爆撃され、アサド軍とイランが支援する民兵が前線ラインに対して集中的な軍事派遣を行ったことは、圧力を強めていました。

したがって、このような軍事作戦が未然に防がれたことは、トルコの国家安全保障にとっても、かつシリアの未来にとっても、和平プロセスにおいて極めて重要です。最も重要なことは、トルコの努力の結果、300万人以上の住民の命が守られ、大きな移民の流れが阻止されたことです。イドリブに関して得られた成果により、エルドアン大統領、トルコ軍、トルコ国家情報機構(MİT)を称えなければなりません。世界が懸念をもって見ていた地域で人道危機の発生が未然に防がれたことになったのです。

ロシアとソチで交わされた合意に沿って設立される非武装地帯から相互に過激派集団と重火器の除外が確保される必要があります。これに鑑みて、ロシアおよびトルコに重大な任務が課されます。ロシアが前線にいるシーア派民兵を説得する必要がある一方、トルコはハヤート・タハリール・アル・シャームのような組織の存在に対して解決策を見出さなければなりません。

トルコとロシアは奥行き15-20キロメートルのエリアに非武装地帯を設立する保証国となる一方、同時に連携かつ独立したパトロール活動を行います。トルコとロシアはアスタナ・プロセスに沿って設立された監視地点を軍事的に要塞化し、非武装地帯は両国の無人航空機によって監視下に置かれます。非武装地帯にいる反アサド派とアサド軍の支配エリアと駐留は守られ、相互に重火器は前線ラインから排除されます。

交わされた合意に沿って、戦略的な重要性を持つM4自動車道とM5自動車道の安全が確保され、再び商業用に開かれます。ラタキアとダマスカスをアレッポにつなぐM4自動車道とM5自動車道は、シリア経済にとって極めて重要です。

トルコとロシア間の合意は、同時にトルコのテロ対策にもプラスの影響をもたらすことになります。実際、分離主義テロ組織PKKのシリアにおける派生組織YPGのテロリストは、イドリブ作戦を利用してアフリンに圧力をかけようとしていました。合意により、この脅威も未然に防がれたことになりました。また、イドリブ作戦が阻止されたことにより、トルコが再びより一層焦点を絞った形でテロ組織YPGがもたらした脅威に対して措置を講じることを期待することができます。


キーワード: 協議事項分析

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