「エコ・ポリティクス」 第36回

貯蓄の重要性

「エコ・ポリティクス」 第36回

ユルドゥルム・ベヤジット大学政治学部経済学科エルダル・タナス・カラギョル教授著

 

ここ最近、トルコ経済に向けて行われている投機的な攻撃が示しているのは、貯蓄が国の経済において極めて重要であるということです。なぜなら貯蓄は経済成長の鍵である投資の主要な源だからです。この状況は、トルコが経済において何らかのリスクの可能性に直面した場合にそれを乗り越え、問題の影響を解消できるために貯蓄が致命的な重要性を持っていることを示します。一方、発展途上国の間にいるトルコが高所得国の中に入るためにも、貯蓄は必須です。先進国では貯蓄の国内総生産における部分が非常に多く、これは偶然では決してありません。この国々が貯蓄において獲得した上昇が、経済成長を持続可能にすることにとって極めて重要であることは確実です。

今日発展途上国において頻繁に起こっている状況の1つは、経済成長の目標達成において投資をひきつける十分な貯蓄がないことです。しかし、有益性を増やし、持続可能な成長を遂げることの最も理想的な方法は、投資によるものです。投資がエンジンとなっている成長の構造は、生産において有益性を増し、容量を拡大します。こうなると、成長は持続可能になり、堅固で強力な経済構造ができます。

しかし、これらの投資を少ない貯蓄により実現するのは不可能だということも事実です。なので、この国々に投資をひきつけるためには何とかして資金を調達する必要があり、それは対外債務が賄います。つまり、一国の経済で貯蓄が少ないと、対外債務の主要な原因の1つになってしまいます。実際に、対外債務も経常赤字をもたらし、今度は国の経済は経常赤字の資金調達という問題に直面してしまいます。この問題すべての解決の後ろに貯蓄の拡大があることは確かです。

一方、貯蓄は諸国の対外債務、経常赤字などの問題の解決となるほか、投資をひきつける最も信頼できる道としても極めて適切な選択肢です。なぜなら対外債務は、投資をひきつけるために頻繁に行われる方法であるとはいえ、貯蓄によって経済の信頼性の観点からリスクを孕む可能性もあるからです。はっきりいえば、一国の資金の必要性を満たすために信頼と経済的な独立を維持するには、可能な限り対外債務に頼らないようにすることが得策です。

国によって貯蓄が国民所得の中で占める割合を取り上げると、特に先進国でこの割合が高いことがいえます。さらには、特にドイツは、貯蓄を経済政策にしっかりと当てはめ、実践し、経済的成功の背景において貯蓄の秩序を守っている国とみなされ得ます。

端的に言えば、全世界で、貿易戦争によりアメリカが世界経済に対し保護主義を取りつつ投資を行い、世界の貿易額が減少する恐れがある、不透明性が支配的な状況が広まっています。また、貯蓄において国際的な通貨となっているドルが、世界金融システムにおけるその優位性により、アメリカの外交政策において制裁の手段として利用されていることで、世界経済のリスクが日に日に高まっていることが見受けられます。

こうしたなか、これらすべての世界的リスクが影響をもたらす可能性がありながらも、途上国をはじめとする諸国にとって、自らの足で踏みとどまって成長を続けるためには強力で堅固、持続可能な貯蓄政策が今日、普段よりもさらに必要になっています。



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