「エコ・ポリティクス」 第31回

BRICS首脳会議について

「エコ・ポリティクス」 第31回

ユルドゥルム・ベヤジット大学政治学部経済学科エルダル・タナス・カラギョル教授著

 

世界の経済発展途上の5大国で構成するBRICSグループが、南アフリカで第10回首脳会議を開催しました。エルドアン大統領も出席したこの会議で、国際貿易から投資、国際協力から金融サービスまで極めて幅広いテーマが話し合われました。世界経済の23パーセントを占めるBRICS諸国が世界貿易の18パーセントを行っていることで、増加する人口が途上国と国際経済において日に日に発言権を強めています。では、貿易戦争というものが世界経済において話し合われており、未来の不透明性が日に日に高まっている中で、BRICS首脳会議は途上国にとってどのような希望を約束したでしょうか?

2006年に最初の会議をブラジル、インド、ロシア、中国の外務大臣の出席によりBRICグループとして行ったこの構造は、2009年に初めて政府首脳のレベルで招集されました。その後2011年に南アフリカも加わって、BRICSという名前になりました。

一堂に会したこの5か国の最大の特徴は、世界人口の40パーセント以上を占めていることと、世界経済の25パーセント近くを構成していることです。BRICS諸国の中で最大の経済大国は中国で、国民1人当たりの所得が最高の国はロシアです。この国々の間では、1020億ドル以上(約1兆1388億円)の貿易が行われています。

また、この国々では人口が急増しており、豊かなエネルギー資源があることが言えます。つまり、今日の世界における人口増加のスピードとエネルギー需要における増加に対し、この国々には複数の交点があるのです。この観点から会議で取り上げられた「BRICSエネルギー研究協力プラットフォーム」の構築の決定は、極めて的を得たものであると言えます。

また、この国々が、貿易とエネルギー資源についてもたらした優位性を、中国の主導における一帯一路プロジェクトにより実現するために、優れたパフォーマンスを見せていることも忘れてはなりません。実際、このような巨大プロジェクトは、加盟国の間の協力活動を拡大し、また強力な同盟関係ももたらし得ます。

金融サービスについてBRICSが行った最初の取り組みは、2014年に「新開発銀行」(NBD)を設立したことです。この銀行の設立目的は、加盟国が金融において遭遇する何らかの問題について、資本の構成により財政支援を確保することです。今日、1000億ドル(約11兆円)の資本を有する同銀行は、加盟国に融資の機会を提供しています。

会議の結果報告では、透明な世界経済の重要性が強調され、多面的な貿易の支援が呼びかけられました。実際には、ここで世界経済に広まっている保護主義の波に対し、多面的な貿易をさらに強化して、信用に基づく予測可能な貿易システムを発展させることが目指されています。

なぜなら複数の面を持つこのシステムで、BRICS諸国の現在の貿易能力を最も有益に利用し、お互いの投資による繋がりを強化する方法は、貿易の信用を確保することにより可能だからです。

BRICSグループは、世界経済に新たな秩序の認識をもたらすために、加盟国間の協力と対話をさらに発展させなければなりません。さらに、加盟国だけではなく、現在世界で発展しつつあるすべての途上国と繋がりを持ち、具体的な取り組みを行う必要があります。

政治的・経済的なパワーバランスが変わりつつあるこの状況の中で、トルコがその地政学的位置とその外交関係により、キーとなる役割を持っていることを強調しておきます。

世界で台頭する途上国の1つであるトルコは、BRICS諸国の5か国に対し合計73億ドル(約8150億円)の輸出、この国々からは534億ドル(約6兆円)の輸入を行っています。経済でも外交政策でも、トルコがこの国々と二国関係を発展させれば、トルコは途上国の中で重要な存在になります。

これらすべての進展の結果、変化の風が吹く世界経済は、その発言権を新興国に譲るでしょうか?



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