「トルコ外交政策へのまなざし」 第10回

エルドアン大統領の西アフリカ歴訪

「トルコ外交政策へのまなざし」 第10回

アタテュルク大学国際関係学部ジェミル・ドアチ・イペク博士著

 

トルコ共和国のレジェプ・ターイプ・エルドアン大統領の西アフリカ歴訪の最初の訪問先は、アルジェリアでした。モーリタニアとセネガルに続いた訪問は、マリで終了しました。こうしてエルドアン大統領はアフリカで2005年以降合計32か国を訪問したことになりました。12軒から41軒に達した大使館の数と、億単位から1000億単位に伸びた貿易額も、これらの訪問の成果です。

訪問では、有益な会談が行われました。国際問題に関する意見交換が行われました。国際的なテロとの戦いや(一部の国や地域ではエルサレムと呼ばれている)クドゥス問題をはじめ、多くのテーマの意見の一致が再確認されました。相互の貿易や投資の機会に向けた歩みが踏まれました。もう1つの重要なテーマは、「フェト」こと、フェトフッラー派テロ組織との戦いでした。エルドアン大統領は、アフリカ諸国の指導者たちがフェトとの戦いについて示した大きな協力の重要性を強調しました。

アルジェリアとトルコには、共通の歴史に根差した友好関係と兄弟関係があります。この関係は、エルドアン大統領が2006年にアルジェリアに行った歴史的訪問の後にさらに発展しました。相互の上級訪問が増えました。経済関係や貿易関係が大きく飛躍しました。最近では両国間の上級会談や訪問が増えています。

共通の歴史や宗教的な繋がりを持つトルコとモーリタニアの政治関係は、友好と協力を土台に発展しています。両国間には何らかの政治問題がありません。しかし、2008年までは、両国間で大きな発展もありませんでした。トルコの「アフリカ展開政策」とともに、両国の間で、多面的なプラットフォームでの上級会談が増えました。モーリタニアのアブデルアジズ大統領が2010年にトルコを訪問し、その後相互に大使館を開設したことで、二国関係や相互訪問、会談が大きく加速しました。両国の間では2013年以降定期的に政治会談が行われています。

1960年にセネガルが独立した後に在ダカル・トルコ大使館が開設された見返りとして、セネガルも、予算が限られていたにもかかわらず、2006年8月にアンカラに大使館を開設しました。トルコとセネガルの関係はここ最近活性化しています。セネガルはトルコを地域とイスラム協力機構内で影響力のある、経済的に向上している国とみなしており、二国関係を発展させたいと望んでいます。

トルコとマリの関係は良いレベルにあります。両国関係は最近マリの大統領、マリの議会議長、マリの首相がトルコを訪問したことにより、さらに強化されました。在バマコ・トルコ大使館が2010年2月1日に開設されました。マリ大統領の政治顧問ビラヒム・スマレ氏も、2014年5月6日にマリの閣僚会議の決議により、アンカラ大使に任命されました。両国間で条約が締結されました。今後これらの条約に新たな条約が加わることが期待されています。

エルドアン大統領とトルコからのゲストはアフリカ諸国で非常に大きな関心をもって迎えられています。この状況の最大の理由は、地域におけるトルコのほかの主体との違いです。トルコ国際協力調整庁(TİKA)は、アフリカの水や医療問題を解決しようと取り組んでいます。トルコ赤新月社は困っている人々に食糧やテントを提供しています。トルコの実業家は投資により地域住民に雇用を提供しています。これらすべては、トルコのアフリカ戦略の主要な思想に沿ったものです。その思想とは、「アフリカが儲かれば、トルコも儲かる」というものです。

アフリカのような地域で影響力を持つには、長期的に計画することが必要です。トルコは今日踏み出した歩みの具体的な結果を、おそらく数十年後に手にすることができるでしょう。そのため、忍耐、強い意思、技量をもって会談を続けていくべきです。なぜならトルコには(すべての大国があきらめたように)アフリカを無視するなどという選択肢はないからです。

エルドアン大統領は今回のアフリカ歴訪で西アフリカのイスラム諸国4か国を訪問しました。エルドアン大統領は、各国との二国関係を強化するためにも、全アフリカ諸国を訪問する決意を見せています。エルドアン大統領の次のアフリカ訪問は、南アフリカとなると思われます。「アフリカへの展開」によりエルドアン大統領は、トルコが地域で正当な秩序を築く上で役割を果たすことを目指しており、アフリカが自立できるようになると信じているために長期的な計画を立てています。この目標は、トルコの戦略的な必要性にもよるところが少しあります。

この訪問での出来事は、トルコのアフリカにおける違いの要約となりました。エルドアン大統領は、自身に「トルコはアルジェリアを植民地とみなしているのか?」とフランス語で質問したアルジェリアの記者に、「トルコが殖民者だったとしたら、あなたは私にこの質問をフランス語ではなく、トルコ語でしていたはずだ」と答えました。こうしてトルコのアフリカにおける違いは、その見事な証拠も見せたことになりました。



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