「エコ・ポリティクス」 第5回

エルダル・タナス・カラギョル教授著

「エコ・ポリティクス」 第5回

ロシアの膨大な天然ガスの備蓄をトルコとそこからヨーロッパに届けるトルコストリームの海底パイプラインの建設に関して、ここ最近、重要な発表が行われ、話題になりました。長さ930キロメートルの2本のパイプラインを通ってトルコに達するパイプラインの1本において、530キロメートルに至る半分以上の建設が行われたという発表により、このプロジェクトがかなり進んだことがわかります。

ロシアのアナパ沿岸から始まり、クユキョイからトルコに入る予定の第一のパイプラインを、リュレブルガズまで運び、そこからトルコの分配路線に繋げることが計画されています。224キロメートルの地点まで建設されている第二のパイプラインは、トルコからヨーロッパへの天然ガス輸送を行います。

トルコが地域の天然ガス輸送において重要な役割を果たすにおいて、315億立方メートルの容量を持つトルコストリームのパイプラインには非常に大きな重要性があります。トルコが東西の世界の間に位置していることでもたらされる戦略的優位性と、それがもたらすエネルギー供給に関する高い信用により、トルコが地域の最も理想的な国となっていることは明白です。

なので、世界で最も重要なエネルギー供給地と、それへの需要がある地の間にあるトルコは、その位置により、地域諸国へのエネルギー輸送にとって最適な経路を提供しています。この状況を知っているロシアも、トルコの天然ガス需要を満たすほか、ヨーロッパのエネルギー需要もトルコを通して満たすことを選び、エネルギー供給への信用においてトルコの重要性を今一度認めています。

その結果、現在建設が続いている天然ガスパイプラインにより、年々より重要な地域的エネルギーセンターとなりつつあるトルコは、トルコストリームにより天然ガス供給において、ヨーロッパにとっての完全なキーポイントとなります。このパイプラインは、ヨーロッパとトルコのエネルギー関係の中心となり、ヨーロッパのエネルギー供給への信用において、トルコは一層積極的な役割を果たすようになります。

また、トルコストリームにおいて第一のパイプラインが稼動すると同時に、西部ラインによりヨーロッパを通ってトルコに届けられるロシアの天然ガスも、供給停止されます。本来この動きは、両国の間で行われている天然ガス貿易に新たな側面を加えています。もはやトルコに届けられる天然ガスの最初の到達地点は、ヨーロッパではなく、トルコとなるのです。第二のパイプラインが稼動すると同時に、ヨーロッパは、天然ガスの需要の一部をトルコから分配される天然ガスにより満たすことになります。

つまり、2019年に稼動予定のトルコストリームのパイプラインにより、ロシア・ヨーロッパ・トルコの三角地帯における天然ガス貿易のバランスが著しく変わるのです。一方、ロシアから輸入される天然ガスの一部の経路が変わることで、トルコのエネルギー供給への信用も高まります。なぜなら両国間の天然ガス輸送における複数の通過国の存在は、危機の可能性として、天然ガス供給への信用にとって深刻なリスクを孕むからです。

ともかく、これらすべてのリスクを払拭するプロジェクトであるトルコストリームにより、地域のエネルギーのバランスが新たに築かれることとなり、トルコは地政学的位置と天然ガス輸送における高いキャパシティーにより、このバランスを保つ重要な役者となりました。

では、地域のエネルギーセンターとなりつつあるトルコの天然ガスの需要を満たすにおいて、トルコストリームはどんな役割を持つでしょうか?まず、現在の計画によれば、このパイプラインを通ってトルコに年間157億立方メートルの天然ガスが届けられると予測されています。停止される西部ラインからの天然ガスの量は、年間140億立方メートルでした。

トルコの年間の天然ガス消費量を見ると、最近では2017年の1月から11月までおよそ470億立方メートルの天然ガスが消費されたのがわかります。2018年に予測される天然ガス消費量は、540億立方メートル以上です。この関係で、2019年に稼動予定のトルコストリームのパイプラインは、157億立方メートルの天然ガスの容量を持つと同時に、トルコの合計天然ガス需要量のおよそ35パーセントを満たすことができます。

結果として、トルコストリームは、トルコのエネルギー供給への信用を高め、天然ガスへの国内の需要の大部分を満たし、トルコが位置する地域でトルコをエネルギーセンターの地位にする非常に重要なプロジェクトです。今後このプロジェクトの稼動により、地域のエネルギーの流れがさらに活発になることが予想されています。



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