「協議事項分析」 第42回

国連食糧農業機関(FAO)と国連世界食糧計画(WFP)の2016年度の報告書によると、世界人口の11パーセントが栄養失調と飢饉の限界に生きています。つまり、およそ8億人の人々が、飢饉に喘いでいるのです。

「協議事項分析」 第42回

今後数か月以内に2017年の数値が発表されます。この数値が目に見える割合で下がっていることを願ってやみません。

これも国連の報告書によると、世界に暮らす5人の1人が、政権運営の悪い、すぐに危機に晒される国に住んでいます。

変化する気候条件により発生する自然災害や新たな危機の波が、この数値を増やしてしまうと恐れられています。

この恐ろしい表のほか、今度は何百万ドルものお金が飛び交う別の表を見てみましょう。

ここ数か月で、一瞬にしてサウジアラビアとカタールの間に危機が生じました。地域諸国にあらゆる悪質な行為を行おうとするアラブ首長国連邦も、この危機の主役となりました。危機から10日後にサウジアラビアがアメリカとおよそ1100億ドル(約12兆3000億円)の新たな武器販売条約を締結したと発表されました。

しばらく後にサウジアラビア政権から、危機の対抗者であるカタールもアメリカと110億ドル(約1兆2000億円)の武器販売条約を締結したと伝えられました。危機の当事者である他の小さな湾岸諸国にも、約2000億ドル(約22兆円)の武器販売が行われました。こうして危機の荒い風がやみ、現在はまるで何の問題もないかのように、皆自分の仕事にかまけています。

世界は湾岸危機の影響から救われたと言われる一方、一瞬にして、北朝鮮政権の最新鋭の大陸間弾道ミサイルの実験のニュースが国際メディアで報じられるようになりました。オバマ政権の最後辺りから始まった「朝鮮半島危機」は、一瞬にして拡大し、この国の指導者・金正恩の新たなニュースが次々に報じられるようになりました。そして報じられるニュースのすべてで次のイメージが描かれました。「いつ何をするかわからない。ピンが外れた手製爆弾のようにいつでも爆発し得る。毎日新たな弾道ミサイルの実験を行っている。完全に、『手に負えない』政治的人物のイメージ。」

そしてこのイメージは、周辺諸国だけではなく、全世界にとって危険なものだという認識が広まりました。金正恩が毎週新型のミサイル実験を行っているというニュースが報じられるようになりました。何千キロメートルもの先にあるグアム諸島にミサイル攻撃を行う、日本を超えてその上から核弾頭搭載ミサイルを発射したというようないくつものニュースが、たちまちにして私たちジャーナリストの議題となりました。

それに続いて北朝鮮のミサイル危機に晒されている国々が、自国を守るために新たな防衛システムを導入するために何千万ドルもの条約を締結しているというニュースが伝えられました。おかしいのは、アメリカが日本に設置したTHAADミサイル(終末高高度ミサイル)防空システムが、金正恩のミサイルを捕捉するどころか、レーダーで確認できないことが判明したことです。それに対し、新たな防空システムが話し合われるようになりました。アジア太平洋のこの地域の危機は、これも何億ドルもの武器販売をもたらしました。それだけならまだましです。アジア太平洋地域に約30万人の兵士が駐留するアメリカは、その地の基地や軍隊の強化に踏み切ったのです。

アメリカの9の司令軍の1つは、アメリカ太平洋軍(PACOM)です。中心基地がハワイにあるこの軍隊は、アメリカ国防総省(ペンタゴン)で最大の軍です。この軍隊の最大の特徴は、最も強力な装備を持つ軍隊であることです。

アメリカ太平洋軍は37万5000人の兵士、200隻の軍艦と潜水艦、1,000機の戦闘機を所有しています。北朝鮮の危機が起こる前に、アメリカのバラク・オバマ元大統領は、この軍隊を、中国を包囲するために技術と弾薬で装備させました。しかし中国は、アメリカのこの罠に落ちて軍を強化するということをしませんでした。アメリカと経済的競争を続ける最も重要な経路の1つであるシルクロード・プロジェクトを実現するための活動を途切れなく続けたのです。

アメリカの最新技術兵器である第5世代F-35戦闘機は日本に、「灰色の鷲」と名付けられた武装無人航空機も、この司令軍の命を受けて韓国に展開しました。核搭載の潜水艦のほか、第5世代戦闘機のうちF-22型戦闘機も、この地域に展開しました。また、7万5000人の兵士も日本と韓国に展開しました。

その後どうなったでしょうか?イランからインド、太平洋の小さな島嶼国まで、いくつもの国が、アメリカとロシアの武器製造企業から武器を購入しました。これも何億ドルもの武器販売条約が締結されました。

世界が去年、贅沢のために費やした金額は、約1兆1000ドル(約123兆円)です。毎年世界人口の全体が食事できるほどの食糧が生産されています。残念ながら、この食糧の大部分は、無駄遣いされて捨てられています。13億トンの食糧も、財政的、技術的な限界があったり、食糧措置が講じられないようにするために、捨てられています。アメリカだけで捨てられる食糧の量は、2億2200万トンです。この量は、アフリカ全体に食糧を行き届かせられる量です。

一方、自然やオゾン層を破壊する化粧品に、何百億ドルもの資金が費やされていることも忘れてはなりません。

今年、朝鮮半島危機と湾岸危機を理由に武器に投資された資金を費やせば、飢饉に喘ぐ国々や人々に10年にわたり食糧を届けることができると、食糧支援や社会支援の専門家が発表しています。自然災害や気候変動よりも前に、おそらく私たち人間が自分の最期をもたらしてしまうでしょう。


キーワード: 協議事項分析

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