「アナトリアの伝説」 第38回

今日は、世界的に知られているアナトリアのスポットのうち、妖精の煙突で有名なカッパドキア地方の伝説をお伝えします。

「アナトリアの伝説」 第38回

カッパドキア地方は、クズルウルマク川が大きく弧を描いている地域で、カイセリ、ネヴシェヒル、クルシェヒルの間にある地域です。この地域は最初に、ヨーロッパの旅行家がここを訪れ、世界でも類まれな妖精の煙突を見てその描写や印象を本に記したことで世界に知られるようになりました。風や水の浸食の結果、特別な種類の天然の岩が何千年もの後に、まるでそのてっぺんに円錐が1つずつついた超自然的な姿になりました。ヨーロッパの旅行家によれば、これらの岩は、妖精の家だということでした。そのため、妖精の煙突と言われるようになりました。紀元前7世紀にこの地域を征服したペルシャ人は、この地域を美しい馬の国という意味で「カッパドキア」と呼ぶようになりました。その日から今日までこの名前は伝わり、世界中から観光客を惹きつけています。

カッパドキア地方の伝説はこうです。昔々、人間たちと巨人は同じ場所に暮らしていました。巨人はその巨体で人間たちを恐れさせ、人間たちは安心できませんでした。人間たちは巨人を怒らせないようにしていました。そして巨人の怒りを鎮めるために、妖精の煙突の頂にある祭壇に集まり、祈りを捧げていました。巨人はどうしても鎮まらないときもあり、怒り狂って、住処の高い山々から人間たちに向けて火山の炎を送り込んでいました。人間たちは1日たりとも安心することができませんでした。家々や畑、木々は炎に包まれ、黒焦げになっていまいます。

そんなある日、妖精の王がカッパドキアにやって来ました。妖精の王は、巨人が人間たちに災厄をもたらすのを見て、悲しみました。そして、人間たちを助けようと決めました。妖精の王は命令を下し、命令を聞いたすべての妖精を呼び寄せました。そして解決方法を調べ、山々の炎を消すことができれば巨人の炎の武器を食い止めることができるという解決方法を見出しました。妖精の王の命令により何千もの妖精が集めた雪や氷を入れた場所に、山々の頂で沸騰する炎を流し込みました。何日もかかってその目的は成し遂げられました。巨人は妖精にかなわないとわかると、地下に逃げ込み、隠れてしまいました。妖精と人間たちは一緒に仲良く暮らし始めました。人間たちは妖精の煙突に掘った家で、妖精たちはその煙突のてっぺんの部屋で暮らし始めました。

そして、恋が生まれました。人間の王の息子で美男子のレヴァンが、妖精の王の娘で絶世の美女のギュルに恋をしてしまったのです。ギュルはある夢を見て、ある日愛するレヴァンを死から救いました。2人の若い恋人は結婚することにしました。ところが、一方で人間たちが、一方で妖精たちがこの結婚に反対しました。そしてついに戦争が始まろうという事態になってしまいました。妖精の王は、こよなく愛する人間たちと戦うよりは、その地域を去ろうと決めました。そして妖精たちに、「鳩の姿になって、巨人と戦うことができない人間たちを守り続けるように」と命じました。

ギュルは父親の命に従って、鳩の姿になりましたが、心はどうしても愛する人から離れることができませんでした。ギュルは1羽の鳩として、毎日レヴァンの窓に止まり、レヴァンが頭を撫でるのに身を任せるようになりました。レヴァンがギュルの頭を撫でるとき、鳩になったギュルはとめどなく涙を流すのでした。

他の伝説には、ウルギュップから西に向かうときに見える3つの隣り合った妖精の煙突の話があります。カッパドキアの王の娘が羊飼いに恋をしてしまいました。この恋に大いに怒った父王は、羊飼いとその父親を殺すために兵を差し向けました。王の若い娘は、羊飼いとその父親が、逃げる途中で兵士に捕まってしまったことを知りました。そしてそのとき、若い娘は、死ぬよりは岩に姿を変えたいと、神に祈りました。そして恋人たちの願いは叶い、娘と羊飼い、そしてその父親は、3つの岩に変わりました。

この岩はウルギュップ地方で最も多くの訪問客を惹きつけている場所です。民間信仰によれば、この岩の後ろにある坂を7回上り下りすると、子どもがいない人々に子どもができるということです。カッパドキアの最大の人気イベントである熱気球のフライトで最も好かれている場所は、この地域です。


キーワード: アナトリアの伝説

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