「トルコ・ユーラシア協議事項」 第32回

トルコは、防空力を強化するために、ロシアからのS-400ミサイル防衛システムの購入を考えています。

「トルコ・ユーラシア協議事項」 第32回

この状況は、トルコの欧米同盟国から反発を買っています。私たちも今回、トルコのS-400の選択、欧米の反発、その地域への影響を分析します。

シリアの混乱や戦闘が内戦に変化し、イラクとシリアにDEASH(ISIL)やPKKなどのテロ組織が存在しており、近隣諸国の潜在的な危機は、トルコの防空システムが模索と活動を加速させることに繋がりました。近隣諸国の高いリスクが原因で、ロケット弾やミサイルシステムによる化学兵器に対し、トルコが様々な措置を講じることはこの点で必須です。今日トルコの防衛政策を明確にしているのは、まずこの懸念です。

特にシリア危機が原因で北大西洋条約機構(NATO)加盟国のトルコがミサイルの脅威のもとにいるにもかかわらず、パトリオット防空システムがトルコに運び込まれたのはとても遅くになってからでした。スペインとイタリア以外の国々は、砲台をさっさと取り外して持ち帰ってしまいました。今日テロ組織PKK、PYD、YPGの手中には、NATO産の小火器や重火器があります。NATOの在庫にある爆発物はテロリストによってイスタンブールの真ん中で使用されました。フェトフッラー派テロ組織の2016年7月15日の流血のクーデター企てに対し、欧米は大きな反発を見せませんでした。これらすべての出来事が理由で、トルコは代わりとなる手段を模索せざるを得なくなっています。

ロシアの提示した提案価格の引き下げや、トルコ・ロシアの関係の改善化、トルコが欧米の同盟国から重要な問題への支援が受けられないことなどの理由により、現在ロシアのS-400システムは、トルコにとって代替的な手段となっています。トルコがロシアからS-400システムを購入する計画に関する欧米の同盟国からの厳しい批判や警告は、ここ数週間で激しさを増しました。類似の状況は、今からわずか数年前に、トルコがとある中国企業と防空システムの供給に関する会談を始めたときも起こりました。

トルコの関係者によってもたらされた技術的発表は、S-400システムがNATOにとっての不安定性を生み出すことはないというものです。トルコの欧米の同盟国の批判の基本的な理由は、技術的なものではなく、政治的なもののようです。なぜなら同じ欧米の同盟国は、ギリシャがロシアから購入したS-300システムを自国の国内防空システムに統合する決定を下し、2013年の軍事演習の際にS-300を使用したときは、同様の批判をしなかったからです。

トルコがロシアからS-400システムを購入することは、トルコの諸々のリーダーも何度も語っててたように、緊急作戦への必要性に対応する取り組みです。最近、トルコのNATO、特にアメリカとの対外政策や軍事的安全保障の利益や優先事項が重なっていることは、周知の事実です。それに対し、ロシアとトルコの現在の良好な関係も、いつか再び壊れる可能性があります。そのため、トルコが代替的な防衛システムや同盟者を多様化させることは、自国にとって合理的な取り組みです。トルコが近隣諸国からの明確ですぐそこにある危険に対し無防備でいるなどということは考えられません。そのため、トルコが自国を防空システムで防備することは、正常に受け入れられるべきです。このことは、短期的に大きな供給者から防空システムを購入することによってのみ、可能になります。そう多くはない大きな供給者のうち欧米の国は、トルコへの技術輸送を認めていないために、トルコにはロシアか中国以外の選択肢が残りません。もちろん、この過程は短期的な解決です。長期的には、トルコの防衛産業がそれ自体高度の科学的・技術的水準の製造レベルに達し、トルコで国内生産が行われるようにすることが必須です。

トルコのS-400システムの選択がNATOの反発を買うことは、予期されていた出来事でした。おそらくNATOは、S-400システムの自国のシステムへの統合も承認しないでしょう。この状況で、トルコはこのシステムを、NATOのシステムからは独立した形で、トルコのある地理のみを保護する形で展開するでしょう。しかし現在トルコの全ての防空システム過程と防衛構造は、NATOに統合されているために、最初の段階で深刻な問題が起こる可能性があります。もしNATOとアメリカが、トルコのこのような代替的模索を快く思わないならば、地域で認められ得るパワーバランスを構築するためにトルコの懸念を理解し、トルコと共に活動すべきです。

トルコの近隣地域であるカフカス、バルカン諸国、中東などの地理はこの1世紀で多くの軍事衝突、危機、戦争を経験してきました。その中には国家間の戦争とともに、ハイブリッド戦争も入っています。トルコは今日も広大な地理で様々な脅威に直面しています。そのため、特に2016年7月15日後の進捗で、包括的で根本的な防衛・安全体制の変化が目標となっています。トルコの欧米の同盟国も、この状況を知りつつ、同盟国としてすべきことを果たすことが、二者関係の未来にとって重要です。

アタテュルク大学国際関係学部研究員ジェミル・ドアチ・イペク氏の見解をお伝えしました。



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