「トルコ・ユーラシア協議事項」 第31回

ユーラシア地域の交通を容易にするための多くのプロジェクトがあります。

「トルコ・ユーラシア協議事項」 第31回

私たちも今回、ユーラシアの交通を容易にするプロジェクト、これらのプロジェクトへのトルコの貢献と、地域への影響を分析します。

ここ数年、世界の経済成長の比重は西から東に移ってきています。この意味で、ユーラシア地域の重要性はますます大きくなっています。ユーラシア地域に向けた交通や協力活動の強化を目標にした多くのプロジェクトが行われています。これらのプロジェクトは特にインフラ、エネルギー、交通に集中しています。欧州連合(EU)、アメリカ、ロシア、中国、トルコなどの立役者もこの枠内で戦略を立てています。EUにとってはこれらのプロジェクトは違った側面を持っています。EUは、ロシアに代わる交通路線を模索しており、ロシアへのエネルギー依存を減少させようとしています。この意味でEUは、再生可能なエネルギー奨励計画を開始しました。そして中央アジア諸国との関係を発展させるために歩みを踏み出しました。

この枠内で、「シルクロード経済ベルト」と「21世紀の海のシルクロード」の取り組みが、重要な2つの世界的なプロジェクトとなっています。これらのプロジェクトはアジアとヨーロッパの市場を相互に結び付けることを目標としています。この目的により、トルコも参加したシルクロード銀行とアジア・インフラ投資銀行が設立されました。こうして、地域諸国と地域で積極的な役割を担うことを望む立役者がもたらした物的資源を1つの屋根の下に集めることが目標とされています。

トルコはこれらのプロジェクトにとって非常に戦略的な地点にあります。トルコはこれらのプロジェクトに向けた支援を発表し、この方向でプロジェクトを開発してきました。これらのプロジェクトの最も新しく重要なものは、ユーラシア回廊、バクー・トビリシ・カルス鉄道、マルマライ、シルクロード中央回廊です。これらのプロジェクトはトルコまたはアジアにとってだけではなく、ヨーロッパにとってもとても重要です。例えば、バクー・トビリシ・カルス鉄道は、これまで初めての乗客輸送を行いました。バクー・トビリシ・カルス鉄道は、国際線で最初の運航が9月にスタートすることが計画されています。現在作動しているバクー・トビリシ・エルズルム天然ガスパイプラインとバクー・トビリシ・ジェイハン石油ラインも、トルコのキーとなる役割を見せています。

バクー・トビリシ・カルス鉄道の目標の1つは、地域で新たなエネルギー回廊を確立することです。アゼルバイジャンの石油製品をこの路線から全世界に分配することを目標としています。それに加えて、トルコと中央アジア諸国の間の現在の交通も大きな割合でこの路線に移るでしょう。バクー・トビリシ・カルス鉄道は、ユーラシアの経済関係をさらに強化するでしょう。バクー・トビリシ・カルス鉄道は、鉄道プロジェクトであるだけではなく、歴史的なシルクロードを再び活性化し、地域諸国との経済関係、社会関係、文化関係を強化するためのプロジェクトです。バクー・トビリシ・カルス鉄道により、ヨーロッパとトルコ・ジョージア・アゼルバイジャンを通る、中央アジアと極東の間の鉄道による安定した貨物輸送や乗客輸送が可能になります。こうして、鉄道輸送がもたらす安全な経済輸送モデルは、ユーラシア地域の国々の貿易量の増加と繁栄にも貢献するでしょう。

これらのプロジェクトの全てを吟味すると、いくつかのリスクやチャンスも目につきます。アフガニスタンの不安定性、関税適用の協調性、カスピ海の法的ステータスの問題がまず目につくリスクです。現在の地域の技術的・法的土台は、完全な一体化を止めることはできません。トルコは法的土台の問題に解決を見出すために、2009年にバクーで関税に関し行われた会議で「キャラバンサライ・プロジェクト」を提案しました。この提案には前向きな反応がありました。キャラバンサライ・プロジェクトは関税を簡素化する活動を支援することが目標です。このプロジェクトは現在、試験段階にあります。地域諸国は経済分野の協力活動を発展させつつ貿易量を拡大する可能性を手にします。長期的にヨーロッパ・アジアの間で多層的な経済関係が発展します。

世界の新たな進展とともに、ユーラシアは、世界政治と経済においてますます重要性を増しています。なので、ユーラシア諸国の地域的取り組みや地域構造の確立は、重要な進展です。トルコはこの点でこれらの進展を容易にする、接合地点の役割を担っています。トルコは強力な港インフラにより、海の経路にとって重要な利点を持っています。しかし、特に、鉄道や物流ネットワークの強化に向けて続くプロジェクトは、迅速に完成させる必要があります。トルコはこれらのプロジェクトにより、中国やロシアなどの国々との発展した関係を丈夫にするでしょう。しかし、一方でこれらのプロジェクトには、トルコ系諸国にとっても大きな重要性があります。なぜならこれらのプロジェクトによりトルコ、アゼルバイジャン、キルギス、カザフスタン、ウズベキスタンなどのトルコ系諸国の相互影響がハイレベルで可能になり得るからです。

アタテュルク大学国際関係学部研究員ジェミル・ドアチ・イペク氏の見解をお伝えしました。



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