「トルコの窓から見た中東」 第30回

テロ組織PKKのシリアにおける派生組織PYDとYPGの中には、多数の欧米出身の外国人戦闘員がいます。

「トルコの窓から見た中東」 第30回

私たちも今回、テロ組織PYDとYPGの中の外国人戦闘員と地域への影響を分析します。

外国人戦闘員の概念は、2014年にテロ組織DEASH(ISIL)がシリアとイラクで急速に拡大したことで話されるようになりました。DEASHが世界各地のシンパを戦闘に誘っていることで、2014年9月24日に国連安全保障理事会によって「外国人戦闘員」というテーマの第2178号決議が採択されました。国連安全保障理事会のこの決議において外国人戦闘員は、「居住している、または国籍が属する国から他の国へ、テロ活動を行い、計画し、準備又は参加する目的で移動する者、または武力衝突に関するものを含めテロ訓練を行う、または受ける者」と定義されました。

シリアでDEASHが拡大していくのを受けて、2014年以降、テロ組織PKKとPYDに多くの国から何百人もの外国人戦闘員が加わりました。しかし、欧米諸国はこの問題に無関心でいました。志願兵や軍団兵などの名前でこの問題をやり過ごしました。欧米諸国は過激派を土台に活動するテロ組織に加わる外国人だけに関心を持っています。テロ組織PYDに加わった欧米人についての手続きは一切行われませんでした。テロ組織PKKとPYDは、2014年にインターネットを通じてDEASHと戦うために、外国人への誘いを発信し始めました。イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ドイツ、デンマーク、ギリシャ、フィンランド、さらには中国の出身者まで、およそ500人の外国人戦闘員が戦闘に加わりました、そのうち17人は地域で発生した戦闘で死亡しました。

今日テロ組織PKKのために、クルド人国家の樹立が、インターナショナル・ソーシャリズムを広めるための道具として謳われるようになりました。テロ組織PKKの行っていることと無関係でありながらも見た目上の表現により話題になっている「民主自治国家」などのプロジェクトが、中東のあちら側で左派運動にインスピレーションを与えているのが見受けられます。現在テロ組織PKKとPYDのために戦いつつも、武装訓練、暴力を行う経験、犯罪の繋がり、過激思想を身につけて欧米諸国に遅かれ早かれ帰還するであろう何百人もの極左戦闘員がいます。テロ組織PKKのヨーロッパでの極左グループとの歴史的な繋がりを私たちは知っています。なので、いつか国に帰還する欧米の外国人戦闘員は、欧米の安全や世界の秩序にとって他の外国人戦闘員より危険ではないということはありません。

欧米がテロ組織PYDに行っている支援の下にある基本的な理由として、テロ組織PYDが「世俗主義」であるということが見せつけられています。しかし、ここには認識のずれがあります。なぜならテロ組織PYDが世俗主義であることは、モダンな欧米の世俗主義の民主主義的な認識と微塵も関係ないからです。このため、テロ組織PYDの世俗主義というのは、シリアの再興のための経済的・政治的リベラリズムにはなり得ません。現在テロ組織PYDが実質的に適用している社会政治構造や経済生産モデルは、毛沢東主義者のパラダイムの枠内における「コミューン」に基づいています。テロ組織PYDの支配下にあるシリアの土地から「欧米的なアプローチを持つ地域」が生まれると考えることは、大きな過ちです。この地域で自由な市場経済、個人主義、表現の自由、自由な起業精神などの認識は決して生まれないでしょう。なぜならテロ組織PYDは、「コミューン」によるユートピアの夢を見ており、自らを新毛沢東主義者そして新スターリン主義者という概念によって定義しているからです。

欧米諸国はテロ組織DEASHを、シリアとイラク、そして全世界にとって大きな脅威とみなしており、それはとても正しいことです。しかし、DEASHと戦うためにテロ組織PKKとPYDに加わった者を、外国人テロリストの戦闘員とみなしてはいません。これは大きな過ちです。

テロ組織PKKとPYDの中の外国人テロリストがDEASHとの戦いからいなくなったときに、テロ組織PYDのメンバーとともにトルコや他の国に対してテロ活動をしないという保証があるでしょうか?DEASHがシリアとイラクから一掃されたときに、これらの外国人戦闘員はどうなるのでしょうか?同様に、マルクス主義者やレーニン主義者として知られるこれらの者は、欧米の自国に帰還したときに、自分の思想とは反対のグループに対しテロの脅威を作り出すことはないと、誰が言えるでしょうか?結論を言うと、欧米の外国人戦闘員、つまりアナーキスト運動に、シリア北部で活動能力がこのように拡大する可能性をもたらすことは、中長期的に欧米の安全にとって大きなリスクを孕んでいます。欧米諸国はこの問題に対し、もはや措置を講じ、テロ組織PYDとYPGへの支援を絶つべきです。欧米国家は現在、テロ組織PYDとYPG側について戦う国民がいつか自国に潜在的な「ヨシフ・スターリン」として帰還する可能性があることを、徹底的に考えるべきです。

アタテュルク大学国際関係学部研究員ジェミル・ドアチ・イペク氏の見解をお伝えしました。



注目ニュース